※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。
35歳でギターを始めた理由は、ちょっとダサい
正直に言う。きっかけは大学時代の同窓会だった。久しぶりに会った同期が「最近バンドやってて」と言って、スマホで演奏動画を見せてきた。ステージで弾いている姿がかっこよくて、それだけだった。不純な動機だとわかっていたけど、「俺も弾けるようになりたい」という気持ちが夜中まで消えなくて、翌朝ギター購入を検索していた。
35歳からの挑戦に対して周りには「遅すぎる」と言う人もいた。でも逆に「30代だからこそ真剣に取り組める」という側面もあると半年やってみて感じている。今からその話をする。
ヤマハFG800を選んだ理由
ギター選びは本当に迷った。初心者向けのアコースティックギターを調べると、3,000円台のセット品から30万円以上のものまで幅がありすぎる。最終的にヤマハのFG800を選んだのは、3つの理由があった。
1つ目は価格。定価26,400円で、Amazonや島村楽器のセールで23,000円前後で買える。初心者が最初の1本に使える金額として適切だと感じた。高すぎるものを買って挫折したら単純に損だし、安すぎると音や弾きやすさに問題が出て、それが挫折の原因になると複数のギター入門サイトに書いてあった。
2つ目は品質の安定性。ヤマハは国内ブランドで品質管理が安定しているという評判をいろんな場所で見た。同価格帯の中国製ギターは個体差が大きいという情報もあって、初心者には安定感が重要だと思った。
3つ目は中古市場の流動性。もし本当に続かなかったとき、ヤマハのFG800は売りやすい。メルカリで見ると15,000〜18,000円くらいで売れている実績があった。撤退コストを考えておくのも大事だと思った。
あわせてカポタスト(880円)、チューナー(1,200円)、ピック10枚セット(550円)、ギタースタンド(1,980円)、教則本(1,430円)を購入。初期費用は合計で29,040円だった。
Fコードの壁:2ヶ月半で3回心が折れた
ギターを始めて最初の1ヶ月は楽しかった。Cコード、Gコード、Emコード、Amコードは割とすんなり形を覚えられた。YouTubeで「初心者 ギター コード」と検索すると解説動画がたくさんあって、見ながら練習するのは苦ではなかった。
問題はFコードだった。
Fコードとは人差し指で全ての弦を一度に押さえる「バレーコード」の最初の関門。ギターを始めた人の多くが挫折するポイントとして有名で、自分もご多分に漏れず、ここで完全に止まった。
1回目の挫折は始めて6週間目。練習してもFコードがきれいに音が出ず、「向いてないのかも」と思って2週間ギターを触らなかった。
2回目の挫折は再開して3週間後。また壁にぶつかって1週間放置した。
3回目は3ヶ月目。もうFコードをやめてFコード不要の曲だけを弾いていたら、そもそも何がしたかったのかわからなくなってきた。
合計3回、「やめようかな」という気持ちになった。
Fコードを乗り越えた方法——2つのアプローチ
4回目の壁にぶつかったとき、ちゃんと原因を分析することにした。なぜFコードが弾けないのかを調べ直した。
わかったのは、自分がフォームを根本的に間違えていたということ。親指の位置、手首の角度、弦を押さえる指の位置が全部ズレていた。これはYouTubeの動画を10本以上見て比較してようやく気づいた。「親指はネックの裏の真ん中より少し上」「手首は少し前に出す」「人差し指は第一関節の少し外側で弦を押さえる」という基本フォームを意識して直した。
もうひとつは「Fコードの簡単バージョン(2弦のみバレー)から始める」という段階的アプローチ。人差し指で全弦を押さえなくても音が出るFの形があって、まずそれで曲を弾けるようにしてから段階的に本来のFコードに移行した。
この2つで、始めて4ヶ月半ついに「それっぽいFコード」が出るようになった。完璧ではないけど、曲の流れの中で弾けるレベルになった。
YouTube講座 vs ヤマハ教室、どちらがよかったか
独学のYouTube講座で3ヶ月やって限界を感じたとき、ヤマハの音楽教室に1ヶ月体験で通った。自分の経験からの比較がある。
YouTube講座で一番参考になったのは「Justin Guitar」という英語チャンネルと、国内では「コバギター」のチャンネル。コバギターはFコードの詳しい解説動画が特によかった。無料でここまでの質の情報が手に入るのは本当に恵まれた時代だと思う。
ただしYouTubeの限界は「自分のフォームが正しいかどうか」が画面越しにはわからないこと。上記のFコードの失敗がまさにそれだった。間違ったフォームで数ヶ月練習しても上達しないどころか、変な癖がついて後から直すのが大変になる。
ヤマハ教室は月8,800円。1回30分を月4回。先生に見てもらった最初のレッスンで、フォームの問題点を3つ指摘された。1ヶ月でそれを直して、明らかに弾きやすくなった。
結論:最初の1〜2ヶ月はYouTubeで基礎を学び、壁にぶつかったら教室で集中的にフォームを直すというハイブリッドが最もコスパがいいと思う。教室にずっと通い続けるとお金がかかるし、YouTubeだけでは正しいフォームの確認ができない。
最初に弾けた曲——「カントリーロード」の喜び
始めて3ヶ月で最初に通して弾けた曲は「カントリーロード」(ジョン・デンバー)だった。使ったコードはG、D、Em、Cの4つ。Fコードを回避しながら弾ける曲として選んだ。
「ちゃんと曲として成立している」と感じた初めての瞬間だった。コードが変わるたびにつっかえるし、テンポもバラバラだったけど、最後まで弾けた。その達成感は、大げさではなく仕事でプロジェクトを完遂したときと同じくらいの充実感があった。
その後4ヶ月後半から5ヶ月にかけて練習したのは、スピッツの「チェリー」。日本人なら誰でも知っているコード進行で、テンポも練習しやすい。Fコードが入っているので難易度は上がるが、半年の時点でなんとか弾けるようになった。
30代から始めることのメリット——正直に言う
若い頃に始めればよかったと思う部分もある。指の柔軟性や感覚を掴む速さは、若い方が有利だと感じる。Fコードの習得に4ヶ月かかったのは、指が硬いからかもしれない。
一方で、30代だからこそ続けられている部分もある。「なぜ弾けないのか」を論理的に分析する力は、大人の方が圧倒的に高い。Fコードが弾けない原因を調べて、フォームを直して、段階的にアプローチするという解決法は、子供には難しいと思う。また「練習時間を確保する」という意識的な管理も、社会人だからこそできる。
半年経った今は、毎朝出勤前の20分と週末に1〜2時間、ギターを弾いている。弾ける曲は増えてきた。プロになるわけでも、バンドを組む予定もないけど、一人で弾いていて楽しい。それで十分だと思っている。
